拳銃と覚せい剤をお返しします。
まったくピンと来ないタイトルですが、そのまんまのニュースです。
2000年3月に神戸市のテレホンクラブ『リンリンハウス元町店』で放火殺人という恐ろしい事件が発生しました。その際、押収した拳銃や覚醒剤などの返還手続きを4月5日に神戸地検が始めたと言うことです。回転式拳銃と自動式拳銃3丁ずつ、実包85発のほか、覚せい剤や注射器588本など計152種類。名乗り出ると「逮捕される可能性が極めて高い」という。
まだイマイチピンときません。
簡単に言うと・・
当時、犯人は捕まり、犯人の近辺から参考様々押収品がありました。その中に拳銃や覚せい剤があったのですが、犯人は自分のものでは無いと言っているようです。
そうなると地検としては『持ち主不明の押収品』という扱いになるようです。
事件は解決しましたので、証拠品は持ち主にお返ししますので名乗り出て下さい。名乗り出なければ押収品は全て破棄します。
と言う内容です。
本ニュースのツッコミどころ
仰天だらけでどうしようもないですが、まずはこれ。
拳銃3丁に弾85発、覚せい剤や注射器588本他ヤバイものを多数発見!
容疑者 『私のものではありませんねぇ』
地検 『あ、そうなんですか。では持ち主不明押収品としますね!』
これほど完全な犯罪認定グッズを爽快にスルー!!です。本人が自分のものじゃないと言えば確かに証拠がありません。そこは吐かせ(自白)させる以外方法は無いのかもしれませんが、当時おそらく地検も忙しかったのでしょうか、テレクラ放火殺人という重大犯罪の解決優先だったと言うことなのかもしれません。
そして極めつけが↓これです。
拳銃3丁に弾85発、覚せい剤や注射器588本他ヤバイものセットで
お返しします。
元最高検検事の中央大法科大学院、奥村丈二教授が本件に関して言葉を残されています。
『仮に持ち主が現れた場合、還付されると、拳銃に加えて実弾も所持することになることから、正当な理由がなければ逮捕される可能性は高い』
『実際に還付を受けに来たという話は聞いたことがない』
気持ちいいくらいのツッコミを頂きました。
ついでにどのくらいの刑になるか軽く見てみましょう。
拳銃は銃刀法違反の複数所持=1年以上15年以下の懲役
もしくは加重所持=3年以上の有期懲役
拳銃実包の所持=5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
と言ったところですが、覚せい剤については注射器588本です。ヘタすると輸入・輸出・製造・営利目的なども疑われ、一生別荘暮らしかもしれません。
これはもしかして罠のつもりなのでしょうか?
返還告知は官報や、地検の玄関出た所の掲示板にあるそうで、この手の限りなく犯罪品返還は時々みられるそうです。中には「ヒモ一本」などどうでも良いものまで。
テレクラ放火殺人事件のおさらい
神戸市中央区にあったテレクラのリンリンハウス元町店と神戸店で同時発生した放火殺人事件。4人死亡4人重軽傷の非常に痛ましい事件。
主犯はライバル店、犯行は暴力団。